@左曲がりの空色の下で･･･

3月も、もう終わりを告げようとしている頃

雨が降りそうな天気なので、俺は干しっ放しの洗濯物が気になり
早めに仕事を切り上げ、駐車場で帰り支度をしていた。

すると突然、ポケットに入れていた携帯が鳴った。
「社長」からだった。


『今 何処？』
『まだ、下の駐車場に居ますょ･･･どうしたんですか？』
『だったら丁度良かった。〇〇の喫茶店で待ってて！直ぐ行くから』
『はい。了解しました･･･』

なんだろう･･･？


ちょっと不安になりながら、俺はバイクで５分ほどの距離の喫茶店に入り社長を待った。身体を温めるために頼んだ「レモンティー」が運ばれてきた頃に社長も入ってきた。

『何か食べない？』
『･･･』


それほど勉強も得意では無いし、かといって他の姉兄のように運動も出来ない。少し自慢出来るとするならば、相手の言葉の裏に隠れている「意味」をいち早く理解できること･･･。
この時も、社長の『何か食べない？』に隠された意味を俺は感じてしまった。
わざわざ帰るのを引き留めて、簡単な話しではないとは思っていたが、食事を勧められた事を考えると、長くなりそうな嫌な予感がしていた。

こんな時でも俺は、干しっ放しの洗濯物が気になっていた。


1～1年半を目処に会社が合併する。
社長の旦那さんが経営する株式を上場している会社。

その為に、俺は新しい職場に転属になった。
厳密に言うと「出向社員」ということになる。

具体的な話しは、4月に入ってからあった。
社員の人は全員しているようだったが、契約社員である俺達には「寝耳に水」的な話しで、『これが会社ってもんかぁ～』って･･･(笑)

で、何で契約社員の俺が？(爆)


会社からは、社員さんが2人、それと俺。

とにかく、何をどうすればいいのか、さっぱりわかんない(汗)



分かっているのは、この日ずぶ濡れになりながら
雨の中をバイクで走って帰った事と、洗濯物がずぶ濡れになっていた事だけ･･･(爆)



てなことで、
毎日慣れないスーツを着て出勤している夕都です。




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